キミのイタズラに涙する。
涙声でつぶやく言葉に梓は言う。
「沙良……手、震えてる
たぶん隆平が一番に気づいて言ってくれたんじゃないの?」
「……っ……ぅ」
涙はポタリ、ポタリと流れて私の手に落ちた。
「うう、本当は怖かったの……っ、イキナリ隆平が苦しみ出して
すごく怖かったの……」
薬の副作用。
調べてはいたけれど
実際にそれを目の前にして私は心の底から怖くなった。
「何もできなかった、一歩も動けなくてただ体が震えて
どうしようって……」
甘く見ていたかもしれない。
隆平を見るのが怖くなって息をのんだ。
震える手を思わず後ろに回した。