キミのイタズラに涙する。


そして次の日ー。


彼が心配だった私は午後の授業をサボって

今日は早目に病院に向かうことにした。


隆平ビックリするかな?


彼の部屋の前までやってきて


こっそりドアの前に立ち、開けようとしたら


私はピタリとそれをやめた。


「んで……っ、」


部屋の中から隆平の声がする。


「なんで……っ、俺なんだよ……」


それは絞り出すような苦しそうな声。

不安になって小さく戸を開けてみると、


手を強く握って涙を流す隆平がいた。


隆平が泣いている。


悲しくないわけがない。

私たちのために笑顔を見せる彼の本当の姿。


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