キミのイタズラに涙する。


それは、強くておちゃらけた隆平なんかじゃない。

苦しいのを必死に隠している隆平だった。


私は思わずドアを開け、隆平に声をかけた。

しかし、その瞬間彼はベットに顔を伏せてしまった。


「沙良か……?」

「うん、そうだよ」


やっぱり泣いてるんだろうか。


励ましてあげなくちゃって思うのにうまく言葉が出てこない。


「あの……っ、隆平!」


すると隆平はバッと顔をあげ元気な声で言った。


「沙良来たんか!

つーかお前今日早くね?

俺に会いたくて早く来ちゃった的な?」


……なんで。

なんでそんな顔してるの?

なんで笑ってるの?

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