キミのイタズラに涙する。


それでも断ったのは

あいつには幸せになってほしいから。



「やっぱさ、男ってカッコつけたいもんじゃん?

常に、好きな女の前ではカッコイイ自分でいてぇじゃん?」


ほら、今の言葉カッコよくね?

沙良に聞かせてやりてぇな。


「これだけお前に託してもいいか?」


自分では渡せない。

つーかこうやって寝込んでる時点で

全然カッコついてねぇ。


だけど……

これは俺の本当の気持ち。


「気付いた時だけ。渡してほしい

気付かなかったら捨てていい」


これがたぶん、最後のイタズラになるだろう。

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