キミのイタズラに涙する。


「ん~いや、なんとなく?」


重たい手を必死に力を入れて持ち上げ

沙良の頭に手をのせポンポンする。


「なんとなくって、隆平いっつもそんなんだよね?

なーにも考えてない!

そうやって見えるのに、本当はいっぱい私達の事見ててくれてるの

私、知ってるんだからね!」


沙良の笑顔が少しかすれて見える。


俺が頭を撫でやすいよう顔を伏せると

うなじが見えた。


そういや俺、このうなじを見て

イタズラを仕掛けることに決めたんだったな……。


4月1日。


ウソをついても許される日。


この日は俺が勝手にイタズラをしてもいい日に変えた。

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