キミのイタズラに涙する。


気付けば私は、自分の家のベットで眠っていた。


「沙良……起きた?」


心配そうなお母さんの顔が映る。


「病院で倒れたらしいの」


そうだ、

さっきのは悪い夢だ。


「ねぇ隆平はまだ……」


生きている。


そう言おうと思ったのに、お母さんはそれをさえぎって言った。


「隆平くん……亡くなったって」


夢じゃない。


ポタリ、ポタリと涙が落ちてくる。

この部屋の中は私達と映る隆平の写真でいっぱいなのに


彼はもうここにはいないなんて


「ウソだよ……そんなのウソだよ……」


頭をポンポンとしてくれた温もりをまだ覚えてる。

彼がニコッと笑った笑顔もはっきりと思い出せる。




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