キミのイタズラに涙する。


分けられた弁当は色んな味がして

統一感がなくて

色合いもバラバラだった。


だけど、その弁当が

優しさとして心に入りこむ。


涙は未だに止まらない。


俺は箸を休めることなく食べ続けると

すぐに完食した。


「ごちそ……う様でし、た、」


何かを食べて、久しぶりにうまいと感じた。

誰も聞いていない

誰も見ていない


直接伝えられもしないお礼を


俺は


その言葉に込めて口にした。



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