キミのイタズラに涙する。


「え……隆平?」

ピクリとも動かない隆平にどうしたのかと肩を揺らす


「ねぇ、隆平、ちょっとしっかりしてよ!!

どうしたの!?」


しかし彼はうつぶせに倒れたままで全然動かなかった。


「ちょっと、ねぇ!冗談やめてよ

ビックリするじゃん!!」


バシバシ体を叩いたら、彼はくるりと振り向き

私の頭をぐいっと引き寄せて


「へへっ、引っ掛かった?」


と笑いながら聞いてきた。


隆平に頭だけ、包まれる。


距離がいつもより近くて、鼓動が速くなった。


「何、どうした

ビックリさせすぎた?」


このドキドキ……いつもと違う。


隆平の声で我に返り

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