メイドさんに首ったけ!?
何本もの木材はすでに職人たちの手により取り除かれていたが、露は地面に横たわったまま動こうとはしない。


「露、露……っ」


口元に耳を近づけ呼吸を確認する。

すると、確かに露のあたたかい呼吸を感じる事ができ、僕は少しだけ安心する。


でも、息があるからと言って危険な状態であることには変わりない。

横たわる露の頭部からは血が流れ出ていたため安易に動かす事はできず、僕はなにもできずただただ救急隊が到着するのを待つしかなかった。


それから数分がたったとき、ようやく救急車が到着し、倒れている露を担ぎこみ一緒に僕も車内へと乗り込んだ。


病院までの移動中、救急隊による救命活動が施され、その様子を祈るように見続けていた。

まもなくして病院へ到着し、待機していた看護師さんの運んできたストレッチャーに露は乗せられると、そのまま手術室へと運ばれていった。

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