メイドさんに首ったけ!?
手術中のランプが点灯し、廊下一帯が静寂な空気に包まれる。


1分1秒がすごく長く感じる。


その間、僕は待合椅子で膝に顔を埋めながら、ひたすら時が経つのを待ち続けていた。


「霧くん!!」


しばらくして。

長い廊下に響く声で名を呼ばれ、顔を上げると露の両親が揃って駆けつけてきた。


「陸さん、綺さん……」


顔を上げ、二人の来た方に視線を向ける。

必死に走ってきたことが分かるように、二人の息は弾んでいた。


「露は……!?」

「今、手術中です……」

「そう……」


綺さんは小さく返事をすると、そのまま力が抜けてしまったようにソファに座り込んだ。

そんな綺さんを支えるように、陸さんも腰を下ろしじっと点灯したままのランプを見続ける。

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