メイドさんに首ったけ!?
時を刻む時計の針の音だけが廊下に響き、握り締めている手のひらからも、額からも汗が滲み出してくる。

ぴくりとも動かない手術室の扉が開くのを待ちながら、必死に露の無事を祈り続ける。


そうしたままどれくらい時が経ったのだろうか。

ようやく手術中のランプが消灯し、無音だった廊下に扉の開く音が響き渡った。


「!!」


その音に一斉に反応し、扉へと駆け寄る。

中からでてきたのは、手術を担当したであろう医師だった。


「露は……!?」


医師を囲むように前に立ち並び、安否を確認する。

医師の表情は硬いままだ。


「……出血は多かったですが、状態は軽いもので命に別状はありません。今は麻酔で眠っているのでもうしばらくしたら目を覚ますでしょう。
ただ、打った場所が頭なので検査入院は必要ですよ」

「……!」


硬かった表情を崩し、薄く微笑んで立ち去る医師を見送りながら、僕たちは目を見合わせ深い深い安堵のため息をもらした。

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