メイドさんに首ったけ!?
「ん?」

じっと、露の姿を見ていると、ふと自分の手を見つめながら露が小さくつぶやいた。


「つゆのて、おおきくなってる……」

「え?」

「だって、おにいちゃんとおんなじくらいだもん」


ほら、と言って露は僕の手に自分の手を重ね、僕を不思議そうに見つめてくる。
露が疑問に思うのは当然のこと。

なのに、とっさの事でなんと答えたらいいのかわからなくなり、言葉に詰まってしまう。


「きりおにいちゃん?」

「あ……、えっと、それはね…」

「――失礼するよ」


どんなに誤魔化したところで、理解は出来なくてもいずれはわかってしまうこと。

だから、僕は今の状況を明確に伝えようとしたところで部屋の扉が開き、はじめに医師が、少し遅れて綺さんと陸さんが病室に入ってきた。

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