メイドさんに首ったけ!?
医師をじっと見つめたまま露は無言で首を横に振る。


「そう、それならよかった。露ちゃん、少しだけお話を聞いてもいいかな?」

「え?」

「大丈夫、心配しないで。みんな一緒だから」

「……」


医師は振り返って僕たちにほほえみかけてくる。

それにつられるように露も、僕たちを見ると再び小さく頷いた。


「それじゃあ露ちゃん、この人達は誰だい?」

「……あやちゃんと、りくくん……」


再び露に微笑んだ医師の視線の先には、綺さんと陸さんがいて、それを追うように露も二人を見つめてから小さく答えた。


「うん。それじゃあ――……」


それからも、医師からの質問は繰り返され、年齢や現在の状況など事細かに露から一通り話を聞くと、医師は病室を去っていった。

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