メイドさんに首ったけ!?
2人は極めて明るく振舞っていて、逆にこんなに気落ちしている僕の方がおかしいのではないかと思わせるようなそのセリフに、僕は言葉をなくしてしまう。


「それに、ちっちゃい露ちゃんが戻ってきたみたいだもの!」

「4歳かぁ、いろいろ覚えたてで、すごくかわいかったなぁ~」

「そうよねっ、またあの頃の露ちゃんとお話できるんだわ~」


両手を組んで過去を懐かしむ綺さんや、にこにことそんな綺さんを見守っている陸さんを見ていると、深く考えすぎている自分がばかばかしく感じ、僕の心が少し軽くなったようだった。

大丈夫。きっと、露は元に戻る――。

2人を見ていると、そんな気さえしてきたんだ。


「あっ!」

「な、なんだい綺ちゃん?」

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