先輩×後輩


全然意味ないじゃん。


優子たちは2人でどっか行っちゃうし。


先輩方は4人で何やら盛り上がってるし。


あたしは1人でおつまみ食べてて、健太も1人でお酒飲んでて。



「もう2人で飲もっか」



あたしは健太に苦笑いを向けた。



「健太に好きな人がいたなんて、あたし知らなかったよ」

「…は?」

「そのことで、別れちゃったんでしょ?」

「…誰に聞いた?」



食べていた手をとめて、じっとあたしを見てくる健太。


なによぉ、その顔。



「優子。なんで言ってくれなかったの?」



あたし、応援するのに。


あたしだけ知らなくて、なんかちょっと悲しい。



「…人にベラベラ話すことじゃねぇし」

「そうだけど。あたし応援するよ?」

「…」



…あれ?


あたし、なんか変なこと言ったっけ?


しばらく黙ったあと、健太はポツンと呟いた。

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