先輩×後輩


「お前には関係ないことだから」



そう言った健太の顔は、少し寂しそうだった。


あたし、ちょっと無責任だったかな。


本当に、その子のことが好きなんだね。


健太とはいつも一緒にいるけど、そういう顔を見たのはもしかしたら初めてかもしれない。



「お前、彼氏とどうなんだよ」

「どうって?」

「上手くいってんのかよ。年下だろ?」



あのね、みんな誤解してるよ。


年下だからってなんなの。


歳なんて、全然関係ないんだよ。


俊くんが何歳だって、もし年上だって、あたしはきっと俊くんに恋してたと思う。


…って、このこと俊くんには内緒だよ?



「ちょーラブラブだから♪」


「あっそ」



自分から聞いてきたくせに、興味なさそうに言う健太。


なんなのよぉ。

< 113 / 260 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop