先輩×後輩
…ヤキモチ、やいてる。
俊くんが、ヤキモチやいてる。
そうわかった途端、あたしの頭の中は一気にお花畑。
俊くんは普段感情を表に出さない分、こういう機会って少ないの。
だからすっごく貴重な時間!
…それなのに!!
なんで映画館って暗いのよ〜!!
俊くんの顔が見れない!!
どんな顔してこんなこと言ってくれてるのか、そこが見たいのに!!
「…なに」
どうしても俊くんの表情が見たくて、あたしはすっごく近くに顔を寄せてみた。
すると、ちらっと私を見て、すぐにスクリーンに視線を戻す俊くん。
わかる。
私にはわかる。
俊くんが視線を逸らすときは、いつだってそう。
「照れてる…」