先輩×後輩
夏のはじまり
あたしは、俊くんと一緒にいられれば幸せなの。
ずーっと一緒にいれるだけで、他に欲しいものなんてない。
って、ずっと思ってたんだけど…
「…るさいなっ!!」
「優子、怒んないでよ〜」
「ただでさえ暑いのに、うるさいのよ!!」
そう罵声を浴びせてくる優子は、Tシャツの袖を肩までまくっていてなんだかかっこいい。
ちなみにあたしはというと、広いテーブルの上に突っ伏している。
「夏休みなのに!!」
「それは向こうが、でしょ」
「会いたいのに!!」
「なら早く課題終わらせな」
…はい。
あたしは今、夏前の課題を一生懸命やってる真っ最中です。
高校ははやいみたいで、一足先に夏休みに入った俊くんは、友達と夏を満喫中らしい。
夜になるとくるメールには、いつも楽しそうな話ばかり…
あたしだって、俊くんに会いたいのに!!
そのためにも、今は課題をやらなきゃね!!
せっかく今日は、優子の家で2人でやってるんだから。