先輩×後輩
あたしはその場にいられなくて急いでマンションの中に入った。

俊くんが悪くないのはわかってる。

けど…キスなんて…

他の女とキスなんて…



例え不意打ちでも許せないよ…



布団に潜り込み、ずっと泣きつづけた。

俊くんからずっと電話がかかってきえたけど、全部無視した。

だってしょうがないじゃん。

弱い人間なんだもん。

すぐ泣いちゃう、弱い人間なんだもん。


コンコン

「さくら、入るわよ」

お母さんが静かにあたしの部屋に入ってきた。

あたしは布団から出ることはなく、そのままの体制でお母さんの話をきいた。

「彼氏と何があったのか、お母さんに話せる?」

ここで言ったら、もっと泣くかもしれない。

でも、ここで言わなかったら一生泣きつづけることになるかもしれない。

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