先輩×後輩
あたしは決心した。


お母さんに全部話そう。


話して、俊くんのこと諦めよう。




あたしは、俊くんとの出会いから今日までのことを全部話した。

お母さんは一言も言わずに、ただあたしの話を聞いてくれた。



「つらかったわね…」



そう、一言だけ言ったんだ…



「さっきね健太くんちから帰るときお母さん見たのよ、さくらの彼氏」

え…どういうこと?

ってことは、俊くんずっと待ってたの…?

あたしのこと…

「家に上がるって聞いたら、いいって。さくらが出てきてくれるのを待ってるって。
優しい人なのね」


俊くん…?


「さくらに直接会って話したいことあるんだって」


バタンッ


気づいたときにはもうあたしはマンションのエントランスにいた。

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