先輩×後輩
「友達に先越されるなんて…」
がっくりと項垂れるあたしを、優子は面倒くさそうに見る。
…そんな顔しなくてもいいのに。
「あ、光輝からメール」
「え!?なんて!?」
「…近い!!」
思いっきり優子に近づいたあたしを、どーん!と押しのける。
…ひどいよひどいよ。
じつは今日、光輝くんも一緒に海に行ってるみたい。
やっぱりあの2人は仲よしなんだね。
「『俊、サーフィン初挑戦』」
「サーフィン!?」
優子の携帯をうばうと、画面にうつっているのはサーフボードを持った俊くん。
に…似合う!!
俊くん、サーフボードすっごく似合うよ!!
ほしい…
この写メ絶対ほしい…!!
「お…送って?」
「もう送った」
「うそ!!優子大好き!!」
ガバッと優子に抱きつく。
今の季節が夏だなんて、そんなの関係ないもんね!!
「暑い!!!」
…優子には関係あったようです。