先輩×後輩


「2メートルって…相当だぞ?」



苦笑いしながら言う光輝くんに、俊くんはスネに一発蹴りを入れた。


光輝くんはすぐにうずくまる。


うわあ…痛そう。


けど俊くんはそんなの気にしてないらしい。



「だまれ」



そう言うと、あたしを連れて玄関に向かった。



「あれ、帰るの?」

「さくらの荷物どこ」

「あ、ちょっとまってて。今持ってくるから」



優子はそう言うと、2階に行ってあたしの荷物を持ってきてくれた。


自分で行けたのに…


俊くんの肩にまわした手が力強くて、ここから動けなかった。



「ごめんね、ありがとう」

「いーえ。課題進んでよかったね」

「うん。これで優子もデートできるね」

「向こうが終わってるのか心配だけどね」



…たしかに。


健一くん、そういうの遅そうだもんなあ。

< 33 / 260 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop