先輩×後輩
「2メートルって…相当だぞ?」
苦笑いしながら言う光輝くんに、俊くんはスネに一発蹴りを入れた。
光輝くんはすぐにうずくまる。
うわあ…痛そう。
けど俊くんはそんなの気にしてないらしい。
「だまれ」
そう言うと、あたしを連れて玄関に向かった。
「あれ、帰るの?」
「さくらの荷物どこ」
「あ、ちょっとまってて。今持ってくるから」
優子はそう言うと、2階に行ってあたしの荷物を持ってきてくれた。
自分で行けたのに…
俊くんの肩にまわした手が力強くて、ここから動けなかった。
「ごめんね、ありがとう」
「いーえ。課題進んでよかったね」
「うん。これで優子もデートできるね」
「向こうが終わってるのか心配だけどね」
…たしかに。
健一くん、そういうの遅そうだもんなあ。