先輩×後輩
淡い色の花火大会
あたしと俊くんの、甘い甘い夏のはじまり。
あたしは無事に課題も提出し、少し遅めの夏休みを迎えていた。
「さくら、早くお風呂入っちゃって」
「はあい」
なんて返事をしながらも、あたしは携帯を開く。
今日はまだ、俊くんからメールがきてないんだ。
もうきてるかな。
そんな淡い期待を胸に、あたしは画面に目をむける。
…だけど、結果はいいものではなくて。
俊くんからの連絡はない。
なんでぇ?
もう10時すぎてるのに。
今日、バイトの日だったのかな?
いつもバイトのときは、前日に連絡遅くなるって言ってくれるのに。
昨日電話したとき、俊くん何も言ってなかったよ?
「忙しいのかもね」
そう呟いて、あたしは携帯をテーブルの上に置いた。
さあてと。
お風呂でも入ってこよっと。