先輩×後輩


なんだ、そうだったんだ。


先輩、用事でもあったのかな。


まあ、そんなことはあたしには関係ないよね。


それより、花火大会のこと俊くんに言わなくっちゃ。



「ねえ、花火大会行かない?」

『花火大会?』

「そう!来週なんだけど」



電車で少し行ったところでやる、結構大きめの花火大会なんだ。


あたしのバイトは週ごとのシフトだから大丈夫だけど、俊くんのことろは1ヶ月ごと。


もしかして、バイト入ってるかなあ?


それとも、もう友達と行く約束してたりして。



『あー…』



なんだか嫌そうに、そう呟く俊くん。


えっ…やっぱりもう予定入ってたのかな?



「ごめん…もう行く約束してた?」



なんだか、自然と涙声になってしまう。


俊くんと行きたかったけど。


予定があるならしょうがないし…


だけど…ああ…


そんなことを考えていたら、自然と鼻がつーんとしてきた。

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