先輩×後輩
「…化粧してる?」
「えっ…う、うん」
そう言って顔をいきなり近づけてくる俊くん。
きゃ~近い!近いよ!
してるって言っても、本当に軽くだから。
だって、俊くんにまだすっぴん見せたことないし…
「しなくていいのに」
「え!?無理だよ」
「なんでするわけ?」
なんでって…可愛くいたいじゃない?
好きな人の前だもん…
…だけど、そんなこと本人に言えるわけもなくて。
あたしが黙っていると、俊くんはため息をついて言った。
「…俺の前なのに」
って、あなたの前だからしてるんだってば!
だけど、俊くんは違うみたい。
「そのままでいいじゃん、別に」
そう言うと、俊くんは庭の塀に寄りかかった。