先輩×後輩


「花火大会…」

「え?」



小さくてよく聞き取れない俊くんの声。


あたしは首を傾げて、俊くんに近づいた。



「今日さ、急にバイトが入って」



さっき、電話で言ってた話だよね?


あたしは俊くんの隣で塀に背中をあずけた。



「本当は今日はなかったんだけど」



俊くんは、地元のカフェでバイトしてるの。


あたしと俊くんの家は駅1駅分だし、よく遊びに行ってるんだ。



「先輩に変わってもらったんでしょ?」



なんか用事でも入っちゃったのかな?



「そ。来週…」



そこで急に黙り込む俊くん。


どうしたのかな?



「俊くん?」

「花火大会…行くだろ」

「え?」



今、花火大会って…?

< 43 / 260 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop