先輩×後輩
「あ、さくらちゃん浴衣可愛いじゃん」
「へ?」
ベッドに座った光輝くんがあたしに向かって言った。
浴衣…って、花火大会の?
…あれ?
あたし、光輝くんに会ったっけ?
「遠くから見えたんだよね」
「声かけてくれればよかったのに~!」
なーんだ。
ほんと、声かけてくれればよかったのに。
「俊もさ、可愛くって死ぬわとか言ってんの」
「は?…言ってねぇし」
え? …え!?
俊くんが、そんなことを!?
絶対そんなこと言わなそうなのに…
ちらっと俊くんを見ると、ふっと目を逸らされる。
なんで逸らすのよぉ〜〜
「言ったじゃん!恥ずかしがんなって」
「そんな言い方はしてない」
「え!?じ、じゃあ…俊くんはなんて言ったの?」
そんな言い方はしてない…
ってことは、何か言ったってことだよね?