SWEETPAIN～冷たい旦那サマは副社長～
「…副社長と社長令嬢の麻友さんは政略結婚だと訊きましたが、二人の間には愛があるんですね」




「え、あ…いや…」




遠藤チーフの言葉を周囲の連中も聞き逃さなかった。

みんなの視線が俺に集中する。

俺の副社長としての威厳が…



自分一人ではどうにもならないからって部下に相談するなんてどうかしていた。

背中に滲み出る恥かしい汗。


「…副社長…ここは花束を持って、キチンと謝った方がいいですよ」

は、は花束っ！？


「な、何で…謝るのに花束が必要なんですか？遠藤チーフ」




「ウチの奥さんは花がスキで…俺から謝る時はいつも…花束を買って行くんですよ」



そばで訊いていた営業部の橋本課長も続いた。



「ウチの妻はスイーツがスキなので、ケーキを買って帰ります」



奥サマと喧嘩した時は皆…試行錯誤して許しを得ようと努力しているんだな。



そう言えば、親父も浮気がバレた時は、母さんに宝石をプレゼントしていたコトを思い出した。







< 112 / 235 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop