SWEETPAIN~冷たい旦那サマは副社長~
「原材料に見合った商品の価格からすれば、この値段が妥当か…」



商品開発部の羽場開発部長がプロジェクタースクリーンを使用しながら説明し、苦肉の表情を浮かべて締めた。



俺はレジュメを片手に溜息を漏らす。



羽場開発部長の作成したレジュメは完璧だった。




緻密に計算され、各商品の利益率も出されていた。




でも、コンビニコスメとしては若干高すぎる。



購買層は若い女性をターゲット。『コスモ』は元々、高級なイメージを持つ化粧品メーカーだった。



古くからの愛用者なら、この値段は羽場開発部長と同じ意見で妥当だと判断してくれるかもしれない。



でも、新たな顧客を掴み、それを足掛かりに『ガイア』の化粧品を浸透させたい俺達は…



俺はこめかみを二日酔いのようにズキズキさせた。頭が痛くなる話だった。








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