SWEETPAIN~冷たい旦那サマは副社長~
着いた先は1階の奥にある閉店間際のショップピング街。



「こっちだ」



蓮人さんはずっと私の右手を握ってエスコートする。そのエスコートの仕方は些か強引だけど。

私の手は蓮人さんの温かさに包まれ、幸せだった。


フランスのブランドショップに入って、私の胸許を隠す為にフェイクファーを物色する。



「人口だと安っぽいな…」


彼は本物のサファイアカラーのミンクのフェイクファーに手を伸ばした。



「それは少し・・・」



「今夜は俺とお前の婚約発表の日でもある。壇上に立って挨拶するんだ。これでいい」



彼は私の首許にミンクをフェイクファーを掛けた。



「これなら見栄えもいいな」



値段は高いけど、蓮人さんの満足げな表情を見たら、彼の言う通りにしようと思った。






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