SWEETPAIN~冷たい旦那サマは副社長~
「手を出せ…」



「はい」


私は蓮人さんに言われるままに右手を出した。

彼は上着の裏ポケットに忍ばせたモノを私の右手に乗せる。


「これは?」

ケースの蓋のカルティエのロゴに驚いた。


「エンゲージリングだ。忙しくて、渡す時間がなかった。婚約発表するのに、婚約者の薬指にエンゲージリングがないのはおかしいだろ?」



「…ありがとうございます。でも、サイズは合っていますか?」



「君のお母さんからこっそり訊いた…」



「嬉しいです」



私はサプライズのエンゲージリングに口許を綻ばせた。






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