SWEETPAIN~冷たい旦那サマは副社長~
「喜ぶのは後でいいから…さっさと嵌めてくれ」



私は恐る恐るジュエリーケースの蓋を開けた。白い光沢のある台座の中央に嵌め込まれたダイヤのリング。


その輝きは眩しい。

蓮人さんの凄いサプライズに、嬉し過ぎて涙が出そうだった。


「カルティエのバレリーナリングだ。マリッジリングもカルティエにしたけど…いいだろ?」



「はい」



優美で繊細な曲線のプラチナ台のダイヤのリング。



「おいっ」



「あ、つい…見惚れちゃって…」
瞳も涙で決壊寸前だった。


「泣くなよ…それよりもほら、貸せ…」



私は蓮人さんにケースを返す。


彼が台座からダイヤのリングを抜き取った。



「嵌めてやるから手を出せよ」



蓮人さんはぶっきらぼうに吐き捨てながらも、少しだけ声音に甘さを滲ませてくれた。



私は嬉しくて彼に手を差し出す。



蓮人さんは私の薬指にエンゲージリングを嵌めてくれた。



「…結婚式のリハーサルみたいだな」



「はい…」



「サイズもピッタリだな…」



彼は私に空のジュエリーケースを返す。私は提げていたパーティバックの中に仕舞い込んだ。



「時間がない。急ぐぞ…」



蓮人さんが私に優しくしてくれるのは時々だけど、それでも嬉しかった。





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