SWEETPAIN~冷たい旦那サマは副社長~
「今夜のお前は気が利くな」



奈央さんのおかげですとは言えなかった。

私だって少しくらい、蓮人さんの役に立つんだと思われたい。

私はお冷を飲んで、唐揚げを口に運ぶ蓮人さんを黙って見つめた。



「今夜は蓮人さんと私の大切な日ですから…粗相のないようにしないと」



「普段は天然でトロくて…空気が読めない所があるけどな」


蓮人さんの言葉がグサグサと胸に刺さってくるけど、笑顔で返す。



「だから…苛めるのかな?」



「へっ?」



私のお間抜けな声にクールな蓮人さんがぷっと笑った。



「独り言だ。もう少しで俺たちの婚約発表だ。そのモチベーション、保っとけよ」



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