みつばちとはちみつ
くうの目から 大粒の涙が 溢れ出した。
……怒鳴りすぎた?
「本当に?本当に 逃げない? 私の事、
めんどくさくならない?幼なじみの方が
よかったって、ならない?」
このバカ…そんな事考えて不安になるなんて…
「くう、おいで。」
腕を広がると 胸に入ってくる。
この温もりを 離せるはずがない。
「本当。お前はずっとここにいて。
これから どんなにケンカしても、この
場所は お前だけの定位置だから。ここに
くうが いないと 俺が無理。」
くうを 抱きしめ、頭をなでながら伝えると、俺にしっかりしがみついて 泣きながら 「うん、うん・・」って 頷く。
しばらくして、やっと くうが泣き止み
落ち着いた。
「・・はぁ、泣いた・・ヒロのシャツで
涙と鼻水 いっぱい 拭いた。服 買っといて よかったね!」
こいつは! 泣き止んだ後の 第一声が
それかよ!