みつばちとはちみつ
×× くう ××


「ただいま〜。ママちゃん、ヒロ勝った
よ!すごい強かったんだよ!」


興奮気味に ヒロの家のドアを開ける。


「くう、おかえり。」

…ん?


「マサ兄と ニナ! ここに いたの?」

「さっきな。ヒロ、勝ったんだ。」

「そうだよ!ヒロ、ウイングでね、すごい速くって!一回 タックルされて危なかったけど・・強いよ、今年!マサ兄と
ニナも 来ればよかったのに〜!」


この興奮を伝えたくて 早口になって
マサ兄に まくしたてる。

本当に ヒロ かっこよかったの!
強いの! あのチーム!


「いや・・俺らは お前らと違って 毎日
会えないからな。たまには2人きりで
いさせろよ。そうだな・・準決勝くらいから 見に行こうかな。残ってたら。」

「残ってるよ!絶対!ね、ニナ!」


…もう! マサ兄はラグビー あんまり
好きじゃないみたいだし…ニナにふる!


「・・くう、そんなに好きなら マネやればいいのに。今 確か ラグビー部 いないよね・・唯一のマネが 転校した〜!とか
ラグビー部の誰だったか、叫んでたの
聞いた事ある・・」


…ニナからの返事は 思ってもみなかった事だった。マネ…マネか…


「いや〜、ヒロが 嫌がるって。絶対!
あいつ独占欲 すごいもん。くう、やめとけよ。マネ、大変だし。」



確かに ヒロ…嫌がるだろうな。
でも…心は もう 傾いてた…


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