みつばちとはちみつ


「・・落ち着いた?」


泣き止みそうにないくうを いつもの公園まで 手を引いて連れてきた。


泣き止みそうになっては 俺の顔を見て
また 泣いて…

その度に 抱きしめて 頭をポンポンして…を 繰り返した。

緊張が 解れたのも あるんだろうな…
と 思いつつ、泣き止むまで続けた。


「ん、今度こそ 大丈夫・・ごめん。
あ〜、うれし死にするかと思った!
・・・もう!」


そう言って 俺の胸を軽く叩く。


「うれし死にって なんだよ。これ位で
死んでたら これから 何千回 死ぬんだ?
・・何万回?」


俺の言葉に 意表をつかれたのか、目を大きくして俺をじっと見つめて…その目には また涙が溜まり出す。


「こら。もう泣くな。」


おでこを コツンと当てると ハッとして
慌てて 涙を拭い…

「・・とりあえず 1回目〜」

と、胸にしがみつく。


「本当に・・いくらでも 喜ばす。いくらでも お前の笑顔の為なら あんなガマン位 ・・するよ。俺のお前への愛をなめるなよ・・」

「・・2回目〜・・もう、死んだ・・」

「死ぬな! 生きろ、くう!」


くすっと笑うと やっと顔をあげて俺を見て、


「ヒロ、大好き!大・大・大好き!
め〜〜っちゃ、大好き!」


と 言って 俺の首に背伸びしながら腕を
回して キスした。


……うれし死にするのは 俺かも。

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