みつばちとはちみつ


「えっと・・マサ兄が いるとか・・?」

「いない。今日は用事で 来れないって言ってた。」

「じゃあ・・ママちゃんか、パパちゃんが 急に帰って来るとか・・?」

「たぶん ない。父さんは明後日までだし母さんは 明日 締切って言ってたし。」


お互い、いきなり 2人きりだという事に動揺が隠せない…無言が続く…


♪〜♪♪♪♪〜♪♪♪♪♪〜♪


突然 鳴り出した くうの着信音に2人して 飛び上がるほど びっくりした…


俺に背中を向け、大きく 深呼吸して
くうが電話をとる。


「もしもし、お母さん? 駅 着いた?
新幹線 今から?」


おばちゃんか…俺しかいないって こいつ言うのかな…言うよな。


「え?ママちゃんに? うん・・それが
・・ママちゃん 急に仕事で 今日帰って来ないみたい。うん・・パパちゃんは
出張中だって・・・うん・・」


やっぱり…で、帰るんだよな…

帰らないで!と くうの背中を見つめて
心で 叫ぶ…


「・・でも、マサ兄 帰って来るから」


…?!! …兄貴?

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