弟系男子が『弟』をやめた時。



「何で悠里まで眞樹原の味方すんの。」


私は親友がこんなに傷ついているのに

スマホばっか触って目もくれない悠里に

顔をしかめた。




汚い顔って言われ、冷たくあしらわれ、

私のガラスのハートは

そろそろひっかき傷ができそうなほど。


あ、それほど深い傷じゃないって?

耐性に優れてるみたい。




「眞樹原くんみてみ。

観察してればおのずと分かってくるから。」



悠里はやっぱり、

私に目もくれずにそう言い放った。




「おのずとって…。」




分かってたまるか。

そう思いつつ、私はちらりとあいつの現在地を

確認する。



10m先、右折らへんだわ。





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