弟系男子が『弟』をやめた時。
そう、10m先、右折らへんだ。
with可愛い女の子で。
「ねーねー、稟ちゃん。」
「んー?」
「昨日シャンプー変えたんだけど、分かる?」
分かるか。
どこの付き合いたての彼女だよ。
その女の子には申し訳ないんだけれど
そう思ってしまう私は
相当女の子の気持ちが分からないみたいだ。
対して眞樹原は
「あー、確かに。髪さらさら。」
その女の子の髪を一束すくい上げ
するりと指を通した。
うせやーん。
何で分かんねーん。
「本当ー??稟ちゃんありがとうーっ」
「うん。なんか、するーって通る。」
眞樹原は女の子の髪をいじりながら答える。
「三つ編みしていい?」
「え?稟ちゃんできんの?」
「なめんな。そんくらいできるし。」
やべえ。
こいつは女子力やべえ。
私は鼻歌を歌いながら
無邪気に髪を編んでいく『ヤツ』を見て
畏敬の念を感じた。