弟系男子が『弟』をやめた時。
失礼な訪問者達に威嚇して
さっさと保健室の中から皆を追い出した。
誰が出川だ、このやろう。
自分の頬をさすりながら拗ねていると、
保健室のドアがガラリと音を立てて開かれる。
「帰りんしゃい、こら」
また誰かからかいに来たわ、
なんて思っていると。
ベッド前のカーテンをそっとあけて
誰が来たか確認したら
そこには宇美瀬響(うみせきょう)くんが
立っていた。
「え」
「あ、ごめん、帰ります」
「いやごめんごめん間違いなのよ怪我人は帰ったらだめだよダメダヨ追い返そうとか全然思ってないから」
「あ、そう?よかった。」
ほっとしたように宇美瀬くんは
肩をなでおろす。
何だかこちらが申し訳なくなった。