弟系男子が『弟』をやめた時。
そんな、そんな完璧男が、
永澤と2人きりで保健室なう。
やべえぞ。ロマンス始まる予感やべえ。
夕焼けのオレンジ色の光が
保健室の窓から差し込んでいる。
夕日に照らされた宇美瀬くんの顔は、
いつも以上に大人っぽく感じられた。
──ふいに、宇美瀬くんが私に振り向く。
心なしか、宇美瀬くんの目線は
落ち着きなさそうに
あちらこちらを漂っている。
何かに迷っているような
素振りを見せた宇美瀬くんは、
ふぅ、と息をひとつ吐いて
生唾を飲み込んだ。
ごくり、と彼の喉仏が動く。
彼は、意を決したように
こちらを見据えて口を開いた。
『永澤さん、俺実は────
君にふぉー☆りん☆らぶ!!!!なんだ!!
俺と付き合ってクレナイカー!!』
『キャー!ナンデスッテ!
そんな大胆な宇美瀬くんに
私もふぉー☆りん☆ら』
ねえわ。
ねえよそんな状況。
アホみたいな妄想を中断して、
私は彼に向き直った。