弟系男子が『弟』をやめた時。



「永澤さん、

怪我したってすごい騒ぎになってたから

大丈夫かな、と思って見に来たんだけど。




…だい、じょうぶ、です、か。」








宇美瀬くんが言い終わるころには

彼の顔は真っ赤に染まっていた。





え、夕日のせい?

夕日演出頑張ってんの?




永澤さん、勘違いしそうなんだけど。



彼の挙動不審さに

有り得ないんだけど、有り得ないことだけど

もしやロマンス始動してんじゃねえの、

なんて考えてしまう。




私がぽかんと宇美瀬くんの顔を見ていると

彼は気まずそうに顔をそらした。




「あー、マジごめん。

俺女子に免疫ないから挙動不審だよな。」





ほんとごめん、と顔を覆って言う宇美瀬くん。




あ、そうか。



女子全般にね。こんな感じなのね、うん。


ロマンス始動してないね、うん。




イケメンこのやろう。


罪深いわこのやろう。






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