弟系男子が『弟』をやめた時。
…ん。
なんじゃ、この男らは。
私が口を開く前に、
叫んだのは宇美瀬くんだった。
「はっ!!?お前ら、何してんの…っ!」
しまった、という苦い顔をして
男バレ部員たちは宇美瀬くんから顔を背けた。
「えー、いや。ね。
宇美瀬が何か女子克服頑張ってるっぽいから」
「なー」
「克服ってゆーかだけどな」
「なー」
「てかまず女子っつーかだけどな」
「なー」
『なー』の相槌が妙にウザい。
全員妙にニヤニヤしてるところをみると
余計にウザさが増している気がした。
「まぁ、頑張ったな、宇美瀬。」
「ナイスファイト宇美瀬。」
「お前らマジで死ね。…死ね。」
謎にハイタッチを始める男バレ集団に
宇美瀬くんは
顔を真っ赤にして蹴りを入れていた。