弟系男子が『弟』をやめた時。
…何だったんだ、いまの。
『じゃ、また』
と振り向いて言った宇美瀬くんを囲んで
ぞろぞろと帰っていった男バレ集団。
そいつらの後ろ姿を
呆然と見ながらそう思った。
「なに、物思いに耽ってんの。」
「うわっ!!?」
ぼーっと突っ立っていると、
保健室の扉の横にもう1人。
いつの間にかそばにいたみたいだ。
「… 眞樹原。」
眞樹原は、何故か超然不機嫌そうな顔つきで
壁にもたれかかっていた。
「どーせ永澤、イケメンと話せて
舞い上がってたんだろ。」
はっ、と鼻で笑う眞樹原。
その眞樹原の言葉を聞いて、
何度もロマンス始動しかけていた自分を
思い出してしまった。
「…うん。
無類の永澤好きがいたらなって思った。」
やべえ、悲しい。
これ、自分でかなり悲しい。