弟系男子が『弟』をやめた時。
「痛いわ!何すんねん!」
まさか両方の頬を再起不能にするため
ここまできたのかこいつ。
末恐ろしいわ。
何が『稟ちゃん』だよ怖いわ。
「そんな痛くしてないし」
オーバー過ぎ永澤、と溜め息をつきながら
眞樹原はじとっとした目で見下ろしてきた。
「…あ、確かに言うほどでもないわ」
言われてみて
よくよく触ってみたら全然腫れてなかったし、
痛さもあまり感じなかった。
てか、さっきの高速回転の上靴が
痛すぎただけな気がしないでもない。
「あれだよ、漫才でツッコミがど突くとき
音はすごいけど全然痛くないやつ。」
「眞樹原そんな技習得してたの。」