弟系男子が『弟』をやめた時。
「意味わかんない。」
「お前がだよ。」
そう言いながら眞樹原は
私の頬にすっと持っていた物をあてがった。
すこし、冷たい。
「あ、これカルピスワーターじゃん。」
眞樹原が手に持っていたのは
私の大好きな『カルピスワーター』だった。
さっきはこれで殴ったのだろう。
「…ほら、あげる。」
眞樹原は目をきらきらと輝かせる私に
頬をめがけぐいぐいとそれを押し付けてきた。
「え、いいの永澤遠慮とか頭にないけど」
「知ってるよ、んなくらい。」
何だか馬鹿にされてる。悔しいぞこれは。