弟系男子が『弟』をやめた時。
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あの日はグラウンドに
雪が積もるくらい、寒い冬の日だった。
────そして。
「宇美瀬!」
トスが上がって
高く宙に浮くボールを捉えた俺は
体育館の床を蹴る。
「いけーーっ!宇美瀬くーーーんっ!!!」
────余裕。
クラスメートの女子の甲高い歓声を背に、
俺は空を切るように鋭く
スパイクを打ちこんだ。
ドンッと低い地響きの後に
ピーッと試合終了の笛が鳴り響く。
「さすが宇美瀬!」
クラスメートは一斉に俺に駆け寄って
勝利を祝福してくれた。
───そう、球技大会だ。