弟系男子が『弟』をやめた時。





「永澤、てめぇ人が試合やってるときに

セクハラしてんじゃねえよ!!!」




イライラが最高潮に達したのか、

眞樹原稟は目をかっと見開いて

永澤さんを怒鳴りつける。



「「わ~、怒ってる稟ちゃん可愛い~っ!」」



どこからか、眞樹原親衛隊が

黄色い歓声を上げているのが聞こえた。





対して永澤さんは、


「セクハラ…じゃないって!

てか負けそうだからって

私に八つ当たりしないでよ!」



と必死になって抗議している。




「いや、今のはセクハラ。」



隣にいた友達らしき女子にも

諭されていたけれど。






俺もセクハラだと思う。








眞樹原稟は八つ当たり発言に

イラついたのか、試合中のボールを

いきなり永澤さんめがけてスパイクを打つ。




今までの眞樹原のスパイクの中で

それが一番勢いがあったように見えた。



多分実際そう。





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