弟系男子が『弟』をやめた時。
文化祭前のロマンスの予感はぱない




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「ね~、ね~、悠里悠里~」




「何なのそんなニヤニヤして」




「うふふ」



「何やねん」




悠里はしびれを切らして

ドカッとタウンページの角で私の額を殴る。




もう悠里がタウンページを持っていても

驚かなくなってきた。



今度水道屋さんの電話番号が知りたくなったら

悠里に教えてもらおう。




「これ、見なさい。」



私は満面の笑みで

手に持っていた紙切れをばっと開いた。




『文化祭』


この紙には、堂々とその三文字が

中央に並んでいる。





「…『文化祭』?」


「そう。これ一年前のチラシ。」



私は悠里の前でひらひらとそれを動かす。




そう。文化祭。


この高校は約1ヶ月に渡って

授業を中止にして文化祭の準備をする。



だから文化祭の完成度は高いし

それを目当てに入学してきた人だっている。




一年前に初めてここの文化祭を経験して

私は神に誓ったことがあるのだ。







「文化委員、しよ!」





私はずいっと悠里に詰め寄った。



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