弟系男子が『弟』をやめた時。
「やばいわ、愛されキャラ。」
「全てが『愛らしい』って感じだもんね。」
「ピンつけてるよ、ほらアレ。」
どうやらさっきの『可愛い~』は
眞樹原くんがピンをつけてたからみたいだ。
それも、深い藍色のリボン付きの。
「あんなん着けたことある?」
悠里が嘲るように私に言った。
「…ありません。」
私が冷や汗をだらだら流しながら言うと、
悠里はやっぱり鼻で笑った。
「眞樹原くんに分けてもらいなよ、女子力。」
私は何にも言えなかった。